≡☆ 花園芍薬園 ☆≡
5月になると季節の花便りが春ボタンの開花を告げるようになりますが、姿形の良く似たシャクヤクとなると余り聞かないわね、それに、ボタンならあちらこちらに名所と呼ばれるボタン園があるのに、シャクヤク園となると聞いたことが無いけど、シャクヤク園て、あるのかしら?−と気になり調べていて見つけたのが今回紹介する花園芍薬園なの。
花園芍薬園( はなぞのしゃくやくえん )
1. 永田駅( 秩父鉄道 )
ながたえき
10:18着 10:21発
至って簡素な佇まいね。
見つけてみたものの、移動を公共の交通手段に頼らざるを得ないξ^_^ξとしては躊躇してしまいそうな場所にあったの。何と最寄り駅からは1.6Kmも歩かなくてはいけないの。それでも出掛けてみたのは「5,000m²の敷地に咲き競う約90種のシャクヤクの大競演」の誘惑ね。と云うことで、その最寄り駅となるのが左掲の永田駅(秩父鉄道)。出掛ける前までは、ξ^_^ξのように駅から徒歩で向かう方が多少なりともいらっしゃるのではないかしら−と予想していたのですが、同じ志を持つ方にはついぞ出会えず終い。それ以上に、ξ^_^ξ達の他には乗降客がいなかったりするけど。
駅舎の前に立つ自販機で忘れずに飲み物を購入してから歩き始めることをお勧めしますね。駅前にはコンビニも無ければ、この先、線路を横断して、花園四季公園の少し手前に自販機を一台見掛けたものの、目的地まで完璧なまでに何も無かったの。ξ^_^ξが訪ねたときは初夏の陽気で、歩いていてすっかり喉が渇いてしまい、芍薬園に辿り着けば何か飲み物にありつけるのではないかしら−と期待したのですが、残念ながら何も無かったの。車での来園者が殆どでしたので、飲み物が欲しくなれば遠回りするなり、ひとっ走りするなりして容易に Get 出来るでしょうけど、徒歩の身ではそうはいかないわね。結局、帰り道でようやくお水にありつけたの。普段、電柱の数と同じ位の数の自販機が立ち並ぶ街にいると、その有り難みが分からないけど、この時ばかりは陽炎揺らめく沙漠の中でオアシスを見つけたような気分だったの。
秩父鉄道でSLと云えばパレオエクスプレスよね。
余談ですが、花園芍薬園に向かう途中で、偶然にも素敵な光景を目にすることが出来たの。踏切遮断機の警報が聞こえて来たのでどんな列車が走り来るのかしら−と何気なく見ていたら、麦畑の向こうを客車を引いたSLが走り過ぎていったの。秩父鉄道でSLと云えば、皆さんも良く御存知のパレオエクスプレスよね。テレビの旅番組などでは見たことがあるけど、そのパレオエクスプレスを、たとえ遠くからでもこうして自分の目で直に見ることが出来たのは幸運ね。北陸新幹線だ、やれ北海道新幹線開通だ−と、何かと列車のスピードばかりが持て囃される昨今ですが、緩やかな時間の流れの中でのプチ旅も素敵よね。パレオエクスプレス、ξ^_^ξも一度は乗ってみたいな。
2. 花園芍薬園
はなぞのしゃくやくえん
11:00着 11:53発
ξ^_^ξののんびりとした足取りでは40分も掛かってしまいましたが、左掲が花園芍薬園の入口なの。この手作り感がいいわね。実は、この芍薬園は個人で営まれているの。地元で農業を営む持田源次郎さんが30年程前にシャクヤクの切り花生産を始めたのが始まりで、元々は桑畑だったそうよ。桑と云えばお蚕さんよね。何でも、お父さんの代までは養蚕業を営んでいたのだとか。その桑畑跡地での切り花栽培が発展してこの観光芍薬園になったと云うのですが、開園してから既に20年も経つとは思いもしませんでしたが、園内に一歩足を踏み入れると、長い年月にわたり丹精されてきたからこその景観が目の前に広がるの。
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Time 00:03.58
敷地面積が5,000m²もあると云う広い園内には、90種とも100種と云われる多くの種類のシャクヤクが植えられているの。そんなにも多くの種類があることを初めて知りましたが、改めてよく見てみると花の形も色々とあるのね。八重咲きやバラ咲きは普通に見掛けますが、花園芍薬園には何がどうなっているのか分からないような咲き方をするシャクヤクもあるの。何でも冠咲きと云うのだそうですが、それ以外にも花だけを見せられたらそれがシャクヤクの花だとは思えないようなものまであるの。単にξ^_^ξが知らなかっただけのことかも知れないけど、カルチャーショックね。
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Time 00:03.42
花園芍薬園の詳しい情報は こちら を御参照下さいね。尚、開園時間ですが、頂いてきた入園券の半券には AM10:00 からと記載されているの。HP 上の記載とは異なるのですが、どちらが正しいのかは未確認です。AM10:00より前に現地入りしたい方は直接同園にお問い合わせ下さいね。因みに、入園料は ¥300 ( 2016 現在 ) と、とってもお得よ。
花園芍薬園のみどころは種類の多さもさることながら、圧巻は品種毎の株数の多さね。また、園内にはシャクヤクの他にも藤棚があったり、ジャーマンアイリスやルピナスなども咲いていたの。残念ながら藤やジャーマンアイリスは既に見頃を過ぎていましたので、代わりにルピナスを紹介しますね。因みに、ルピナスには昇藤(のぼりふじ)の別称もあるの。藤の花が下を向いて咲くのに対して、藤の花によく似たルピナスの花は上を向いて咲くことから名付けられたものだそうよ。紫色のルピナスの花にクローズアップしてみましたが、確かに藤の花によく似ているわね。それでは、ごゆっくりとお楽しみ下さいね。
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Time 00:03.09
今では耳にする、否、目にする機会もめっきりと少なくなりましたが(笑)、美しい女性の姿や立ち振る舞いを花にたとえて「立てばシャクヤク(芍薬)、座ればボタン(牡丹)、歩く姿はユリ(百合)の花」と形容するときもあるわよね。But 歩く姿はユリの花−はイメージが結びついても、「立てばシャクヤク、座ればボタン」は今ひとつ良く分からないままに、慣用句だからと安易に済ませてしまっているのが正直なところよね。巷では、シャクヤクは根元からすらりと伸びた枝の先端に華麗な花を咲かせることから女性の立ち姿に見立て、一方のボタンは枝分かれした枝先に花を付けることから横座りする姿に見立てたものだとか−などと、色々と云われているようね。
そのボタンとシャクヤクですが、花を咲かせたときの姿形は素人目には容易には区別がつかないわよね。それもそのハズ、両者共にボタン科ボタン属で、「幾れがアヤメか、カキツバタ」の世界なの。因みに、シャクヤクの学名は Paeonia lactiflora で、対してボタンは Paeonia suffruticosa だそうよ。一方、難しい学名じゃなくて、普段日常的に使われる英語では両者共に Peony なの。と云うことは、英語圏ではシャクヤクとボタンは区別されていないと云うことね。敢えて区別する必要があるときにはボタンを Tree Peony と呼ぶのだとか。御存知のように、Tree とは、木のことよね。と云うのも、ちょっと乱暴な云い方だけど、シャクヤクが草であるのに対して、ボタンは木なの。
園芸本などでは他にも違いが色々と挙げられていますが、交配がすすめられている現在では、開花時期や蕾の形などの違いは、もはや決定打とはならないようね。そんな中で、素人目で見て違いが比較的分かりやすいのが葉の形状なの。スライドにもボタンとシャクヤクの葉の写真を入れておきましたので見比べて頂きたいのですが、ボタンの葉には切れ込みがあるのに対して、シャクヤクの葉には切れ込みが無いの。それに、ボタンの葉が木の葉らしく見えるのに対して、シャクヤクのそれは草の葉っぱらしく見えるでしょ。因みに、シャクヤクの花ことばは「恥じらい、はにかみ、慎ましやか」だそうよ。そのシャクヤクが、慎ましいかどうかはひとまず置いておき、今を盛りにと、園内に競い咲きしていたの。
3. 永田駅(秩父鉄道)
ながたえき
12:29着 12:38発
列車に乗り込んだのはξ^_^ξ達の他には地元の方が一人だけ。恐縮しちゃうわね。
広い園内にはシャクヤクが花言葉の「恥じらい、はにかみ」のイメージとはおよそかけ離れた色鮮やかな艶姿で咲き競っていたの。傍らを通り過ぎようとすると皆して「ねえねえ、わたし綺麗?」と問いかけてくるようで。花も恥じらうお年頃−が遠い昔話(笑)になってしまったξ^_^ξにはちょっと眩しすぎる美しさでしたが、綺麗なものを愛でていると、自分の心もまた綺麗な色で満たされていくような気がするわね。ところで、花園芍薬園に咲くシャクヤクの見頃は例年だと5月中旬とのことですが、ξ^_^ξが訪ねたとき(2016)は季節が一週間から10日程早めに推移していたの。気温の寒暖など、天候によりシャクヤクの開花時期は前後しますので、追体験される場合には、事前に開花情報などを御確認の上でお出掛け下さいね。それでは、あなたの旅も素敵でありますように‥‥‥
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